INTERVIEW

AKIさん

インフルエンサー/香水ブランドプロデューサー AKIさん

PROFILE

6年間の保育士経験を経て独立。現在はSNS総フォロワー約7.5万人を持つインフルエンサーとして、様々な企業とのタイアップやコンテンツ制作を行いながら、香水ブランド【I’mcuteforme】のプロデューサーとしても活動している。
確かな発信力と文章力を強みに、フォロワーから厚い信頼を得ており、美容・ライフスタイルを中心に幅広い分野で活躍している。

保育士からインフルエンサーへ、香水ブランド立ち上げまで~好きを仕事にした12年の軌跡と、副業から独立への決断~

これまでのキャリアについて教えてください。

元々SNSが大好きで、中学生の頃からTwitterやmixi、ブログをよく書いていました。Instagramも高校生の時にできたばかりの頃から始めていて、当時は友達との日常を投稿する程度でした。保育系の短大に通っていた時、ハロウィンの投稿がバズって少しずつフォロワーが増えていったんです。

当時は原宿系ファッションが流行っていて、古着も好きだったので、部屋をプリンセスのような雰囲気にしていました。そういった投稿が多くの方の目に留まり、大学生の頃には他の人より少しフォロワーが多い状態でした。決定的だったのはリップの投稿で、そこから本格的にインフルエンサーの道が開けました。

インフルエンサーとして活動するきっかけは?

社会人になって保育士をしながらInstagramも続けていたら、前の事務所から声をかけていただきました。『本格的にインフルエンサーになりませんか?』と。その時はまだ『インフルエンサー』という言葉もない時代でしたので、何のことか分かりませんでしたが、楽しそうだなと思って。最初は時計やリップ、化粧品がもらえたら嬉しいという単純な気持ちで始めました。

AKIさん

保育士との両立はいかがでしたか?

約5年間、保育園で働きながら副業としてインスタ活動を続けていました。保育園6年目になる時、体力的にも疲れを感じるようになりました。毎日同じことの繰り返しに少し疲れたなと思い、インスタの方を本気でやりたいという気持ちが強くなりました。ちょうど保育園がフランチャイズで、東京への転勤の話があったんです。東京なら行ってもいいかなと思い、事務所も東京だったので、本格的にお金を稼げるようになろうと決意しました。

独立への不安はありませんでしたか?

保育士という手に職がある仕事を手放すことへの迷いはありました。今しかできないという気持ちと、インスタの方が楽しいという想いが強かったので全力でこちらに振り切ることにしました。

独立してから生活はどう変わりましたか?

1年目は時間の使い方が全く分からず、とても悩みました。保育園では決まった時間に出勤すればよかったのですが、独立後は全て自分で決めて、連絡も全て自分で取る必要があって。最初は本当に戸惑いました。でも今は完全に慣れて、時間に余裕ができたことで、新しいことにも挑戦できるようになりました。

現在の一日のスケジュールは?

朝は7〜8時に起きて、自分で朝ごはんを作って食べます。その後メールやミーティングの確認をして、日によって展示会に行ったり、インフルエンサーの友達と一緒に撮影に行ったり。香水を一緒に作っているメンバーとの企画会議もあります。編集作業が終わらない時は、夜2〜3時まで没頭してやることもありますね。

休日はどのように過ごされていますか?

自由な分、決まった休みがないのが特徴かもしれません。休もうと決めた日でも、気になってやってしまうこともあります。ただ、好きなことでお金を稼げるのは本当にすごいことだと思っていて、楽しみながらできているので全く苦ではないです。

香水ブランドを立ち上げたきっかけは?

元々香りが大好きで、たくさんの香水を集めていました。イヴ・サンローランの香水を紹介した投稿がバズって、百貨店の方からお礼の連絡をいただくほどだったんです。『Instagramで見ました』という声をたくさんいただいて。香りは記憶に残るものですし、香水をつけると気分がシャキッとする感覚が好きでした。それがきっかけで、今の事務所の方と一緒に香水を作ることになりました。

AKIさん

最初の販売はいかがでしたか?

当時は香水を作る人があまりいなかったので、300本から始めたのですが、5分も経たないうちに完売して、受注生産にしたほど反響がありました。最初の勢いは本当にすごかったです。

現在の香水ブランドの展開は?

今は9〜10種類ほど展開していて、月に1回程度ポップアップイベントを開催しています。百貨店や商業施設に出店したり、最近では中目黒で会場を借りてポップアップを行いました。香水は試さないと買えないという方も多いので、実際に香りを試していただける機会を増やしていきたいと考えています。

若い世代への展開も意識されていますか?

YouTuberのPKAのあっぷるちゃんとコラボレーションアイテムを作りました。若い方々に人気のある方なので、『初めて自分で香水を買いました』という声をたくさんいただいています。最近の若い子たちは、あまり香水をつける文化がないようなので、憧れを作ることで広めていきたいと思っています。

商品を売るために大切にしていることは何ですか?

パッと見た瞬間の写真の印象と、買いたくなるような文章が重要だと思っています。私は文章を書くのが好きなので、長文でしっかりと想いを伝えるようにしています。例えばイヴ・サンローランの香水を紹介した時は、『忘れられない女性になります』という表現を使いました。

『この香水はいい香りです』だけでなく、『この香水をつけたらこういう自分になれる』という自分ごとに落とし込める文章を意識しています。インフルエンサーが良いと言っているから買うのではなく、読者自身が使ってどうなりたいか想像できるように、文章を工夫しています。

今後のインフルエンサー市場についてどう考えていますか?

新しい人たちがどんどん生まれてくる中で、固定のファンを大切にすることが重要だと思っています。ずっと信頼して見てくれている方々を大切にしていれば、まだまだ可能性はあると考えています。TikTokなども活用して、新規のお客様を獲得する工夫も続けています。

プライベートはどのように過ごされていますか?

疲れた時はサウナに行くのがリフレッシュになっています。猫を飼っているので、猫と遊んだり、美味しいご飯を食べることが一番の癒しですね。

結婚についてはどのようにお考えですか?

地元の友達は結婚している人が多いですが、東京の友達は誰もしていなくて。私自身も特に強い願望はなく、いつかできたらいいなくらいに思っています。一人で何かをするのも好きですし、自分で好きなものを買えて、好きな時間に仕事ができる今の生活を楽しんでいます。

AKIさん

独立して自分自身は変わりましたか?

責任感は増えたと思います。保育士の時は目の前のお子さんの命を預かる責任でしたが、インフルエンサーの責任は遠くを見据えたものです。投稿が残り、クライアント様の商品が売れることへの責任。長い目で見る責任感という点で、違いを感じています。

インフルエンサーを目指す方へアドバイスをお願いします。

正直、自分でもなぜこうなれたのか完全に理解できていない部分があります。でも、『こうなりたい』と決めつけて全てをやるよりも、好きなことを追求した延長線上にある方が良いのではないかと思います。続けることが何より大切で、結果が出るまでやり続けること。最初から本業にするのではなく、副業や趣味の延長として始めて、軌道に乗ってから独立する方が安心だと思います。

女性なら皆、メイクや美容に興味があると思います。自分が何が好きで、何だったら人に楽しく説明できるか。嫌々やっても続かないので、楽しんでできることを発信することが大事だと思います。

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