出張料理/ケータリング HIKAMESHIさん
PROFILE
家庭料理をベースに、和・洋・伊を掛け合わせた「食べやすいごちそう」を提案する出張料理人。
専門的な料理学校には通わず独学で腕を磨き、口コミをきっかけにケータリングや商品開発、記念日のケーキ制作など幅広い依頼へと活動を広げる。
独学で築いたフリーランス料理人のキャリア~ホームパーティーが営業の場、女性らしさも大切にする新しい働き方~
現在のお仕事について教えてください。
都内を中心にケータリング業と出張料理を行っています。料理だけでなくスイーツも作るので、オーダーメイドのケーキやクッキーなど、本当にジャンルを絞らず、料理に関わる仕事に幅広く携わっています。レシピ開発も注文があれば受けていて、今は学芸大学にあるカフェにレシピ提供もしています。
料理の道に進むまでの経緯を教えてください。
小さい頃から料理が大好きで、小学3年生の誕生日プレゼントが包丁だったくらいです。ずっと料理をやっていたんですが、両親が調理系の学校に行くことに強く反対していて。いわゆる4年制大学に行って、良い企業に入ってほしいという方針があったんです。
何度も料理系の学校に行こうと思ったんですが、高校でも、専門学校のタイミングでも、就職でもNGを出されてしまって。なので料理という職業には就かずアート系のベンチャー企業に就職したのですが、その傍らずっと独学で料理を練習したり、今のようにSNSで投稿を続けていました。

転機はいつ訪れたのですか?
新卒1年目で入った会社で、上半期のフィードバック面談がありました。その時、上司に一番楽しかった仕事を聞かれて、『会社の人たち全員でAirbnbに泊まって出張に行った時、朝食を作ったことが一番楽しかったです。』と伝えたんです。
そうしたら『君はもうちょっと輝ける場所があるかもしれないね』と言われて。やっぱり料理の仕事が諦められなくて、新卒1年目の10月で退社を決め、そこから料理の仕事を始めました。
完全に独学だったのですね。
会社を辞めたタイミングで、今の夫が、タコス屋さんをやっていたんです。夫に誘われて、1年弱ほどタコス屋さんをやっていました。ただ、飲食店で勤めた経験もなかったので、大量生産の仕方が分からず、本当に手探りでした。一度お店を閉じてからは、基礎から学びたいと思って、恵比寿・代官山近辺の和食屋さんの厨房で1年ほど働きました。
なぜ独立を決意されたのですか?
勤め先だと自分の料理が作れない状況でした。評価されるポイントも、重い荷物をどれくらい運べるかとか、どれくらい早く切れるかといった部分でした。機械的に作っているようでは上達には遠いなと感じて、独立して今の『ヒカメシ』という名前で活動を始めたのが1年ほど前です。
最初の大きな仕事は何でしたか?
学生時代にミスコンに出ていたことがあり、その繋がりでケータリングという形で、ミスコン本部の方々がミスコンのアフターパーティーの食事を注文してくださいました。それが人生で初めての大きな仕事でしたね。そこからロケ弁などの注文も入るようになってきました。
お仕事はどのように獲得されていますか?
SNSと自分のコミュニティですね。周りの友人から受けることがほとんどで、どこかのサイトに登録している訳でもありません。本当に皆さんの力を借りながら活動しています。社交の場に行くことが多いので、お客様を足で稼いでいる感じです。ご挨拶して、インスタを見せて『こういうことをやっています』とPRしたり、口コミで友達が友達に伝えてくれたりで、お話が来ます。

ホームパーティーを営業の場として活用されているそうですね。
仕事が入らない週は、ホームパーティーをよく開いています。家に友人を7〜8名ほど呼んで、自分の料理を食べてもらいます。自分の料理を体験してもらう機会を設けることで、自分の宣伝や仕事に繋がっています。
見ているだけだと、皆さん注文しづらいというか、感動が伝わりづらいんです。なので実際に来てもらって、試食してもらっています。仕事という気持ちは2〜3割くらいで、残りはもう皆にフランクに楽しんで来てもらいたいという気持ちで開催しているんですが、実際に食べてもらうことで繋がる仕事が多いです。
1日のスケジュールはどのような感じですか?
夫の連れ子が高校生なので、毎朝お弁当を作っています。基本的に平日はSNSでPRするための料理の写真を撮ったり、日頃の料理の写真を作っています。本当にフリーランスなので、かなり自由に働いている感じです。
仕込みの依頼が来たら、早くて1週間前、遅くて2〜3日前くらいから深夜までやり続けます。依頼が来たら本当に料理漬けで、普段は家庭のことをやりながら、自分の料理の投稿ができるように何かを作っているという感じですね。
料理のスキルやセンスは、すべて独学で身につけられたのですか?
どこかに習いに行ったこともないので、ひたすら自分の作ったものをあげるという行動を、中学生くらいからやっていました。そうすると自然とSNSも身近だったので、皆さんの料理の写真を見たり、良いものをフォルダに集めたり、図書館に行ったり。デパ地下のお弁当コーナーで盛り付けを写真に残したりして、本当に独自に勉強してきました。
料理の仕事への想いはどのようなものですか?
本当に料理以外のことは全く集中できなくて。料理だったら何日でも徹夜できる仕事で、本当に向いているなと自分でも思います。
今後の展望について教えてください。
恵比寿で週半分くらいお店をやらないかという話が来ています。近い未来かもしれません。将来的には自分の子供も欲しいと考えており、そうなった時に料理の仕事は体力も時間もすごく使うので、そのフェーズに入ったら料理教室をメインでやっていきたいと思っています。プライベートも時間を作りながら、自分をコントロールできる範囲でやっていきたいです。

SNSではどのような発信を心がけていますか?
料理人で美容にも力を入れている人って、すごく少ないんです。料理人は本当にハードで、男性社会がいまだに強い世界です。女性らしく可愛くいたい、きれいでいようとすると、『料理人じゃない』みたいに言われることもあって。料理人の女性は結構さっぱりした感じになるケースが多いんです。
でも、料理もすごく好きだし、女性としての楽しさも忘れたくないので、そこを上手く両立できるアカウントになったらいいなと思っています。ギャップを作れるように、美容も頑張ってるけど料理もめちゃくちゃ頑張っているじゃん、と思ってもらえるように、日々練習中です。
食を仕事にしたい方へのアドバイスをお願いします。
自分の料理を本当にいろんな人に食べてもらうことを、怖がらずにやることが大事だと思います。自分の作ったものを相手の口に入れて、しかもすぐにリアクションをもらうので、美味しくなかったらどうしようと不安に思いますよね。でも、そのフィードバックの繰り返しで料理は上手くなります。
料理の仕事をしたいならば、怖がらずに第三者にひたすら作り続けてください。それが美味しければ絶対に仕事が来ます。誰かに作るということに挑戦することが、一番大事なんじゃないかなと思います。


