ブランド経営/着物×オーダースーツ事業 櫻庭莉那さん
PROFILE
SHIRO NI SEKAI合同会社代表。青森県出身。
2020年に会社員として働きながらアパレルブランドを立ち上げ、当時22歳と若くして起業。その後パーソナルスタイリストとして独立し、SNS総フォロワー2万人のファッション系インフルエンサーとして活動。
現在は自社ブランド 「SHIRO NI SEKAI」 を主軸に、日本文化×現代ファッションの可能性を広げ、“日本の美を世界へ届ける” ことを使命として取り組んでいます。
世界の文化を纏う、唯一無二のオーダーメイドブランド~教員免許から起業家へ、伝統と革新を融合させる挑戦~
現在までの経歴を教えてください。
青森出身で、大学で小学校と幼稚園の教員免許を取得しました。ただ、教員にはならず東京で法人営業として就職しました。社会人1年目に転機が訪れ、副業として学生起業家と一緒にファッションブランドをスタートアップとして立ち上げたんです。
2年目にはブランド活動により専念したいという思いが強くなり、本業を辞めてレディースブランドの販売員として業務委託をしながら、ブランド活動を1年続けました。その後、フリーランスとして独立し、SNS運用会社の営業部で業務委託をしながら、自分のブランド活動を2年ほど続けました。
その後、パーソナルスタイリストとして独立し、インスタグラムで発信しながらコーディネートのお仕事を受けるようになりました。経営者の方々のスタイリングも手がけ、起業家向けファッション誌の出版プロジェクトにも携わりました。そして、お客様から『あなたのセンスで服を作ってほしい』というご依頼をいただいたことをきっかけに、改めて自分主体のブランドを立ち上げることになりました。
「SHIRO NI SEKAI」のコンセプトについて教えてください。
『世界を纏う』というコンセプトで、世界の伝統文化を日常に着れるお洋服として表現しています。特に着物や和柄などの日本文化を取り入れたオーダーメイドスーツがメインです。お客様の唯一無二を表現することを大切にしていて、全面的に和柄を使うのではなく、日常でも着やすいデザインに落とし込んでいます。お客様の布の持ち込みも受け付けていますが、実際は8割の方がこちらでご用意した生地から選ばれますね。

なぜファッションの道を選ばれたのですか?
ファッションは幼少期からずっと好きで、自己分析をした時に今まで一番時間とお金を使ったのがファッションだったんです。大学時代もフリーマーケットを開催したり、イベントに参加したりしていました。社会人になって、自分が本当にやりたいことを深掘りした時に、やはりファッションに挑戦したいという思いが強くなりました。チャレンジするなら若い方が良いと思い、会社員をしながら始めてみたら、やはりこちらの方が楽しくて、将来もこれで生きていきたいという思いが強くなったんです。
ブランドを運営する上で大切にしていることは?
『世界観を届けていく』ということが軸です。世界観はブランド側が作るものですが、それを届けていくのはお客様なので、世界を届けつつもお客様が何を求めているかを大切にしています。
また、自分自身が世界の文化に触れることを重視していて、定期的に海外を旅行して今まで20ヵ国ほど訪れました。日頃からも伝統柄を見たり、展示やアートを見る時間を大切にしています。
今後のビジョンについて教えてください。
日本の文化を世界に届けていきたいです。海外展開する際は、日本の着物や和柄を軸にしつつ、現地の伝統文化を大切にしているブランドとコラボレーションしたいと考えています。昨年は東京ビッグサイトの展示会に出展しましたが、今後3年以内に海外の展示会やファッションショーへの参加を目指しています。
また、着物業界全体を応援したいという思いもあり、抹茶事業をされている方とのコラボレーションなど、日本文化全体を盛り上げる活動も行っています。最近は茶道や生け花を学び始め、日本の精神文化をより深く理解し、それを人に伝えられるようになることを大切にしています。

フリーランスから起業を考えている方へのアドバイスをお願いします。
大きく分けて2つあります。1つ目は、事業への思いはもちろん大切ですが、売上をどう作るかという金銭的なフローをしっかりと事業計画に落とし込むこと。2つ目は、仲間を集めることです。夢が大きくなればなるほど、関わる人が必要になります。仲間がどれだけいるかで、事業の加速度や夢の実現度が変わってきます。
女性起業家向けの支援制度も充実していて、低金利での融資なども活用できます。情報を集めて、リスクを低くしながら着実に売上を上げることが大切です。会社は続けるものなので、一時的な成功ではなく、積み上げられる事業計画と行動力が重要だと思います。
プライベートはどのように過ごされていますか?
旅行が私のリフレッシュでもあり、インスピレーションの源です。海外に行く時は、仕事の視察でもありプライベートでもあります。初めて見るものや、その国特有の文化に触れることを大切にしています。また、最近始めた茶道や生け花は、瞑想のようなリフレッシュタイムでもあり、自分のアップデートの時間でもあります。経営もプライベートも自分の裁量で調整できるので、休む時はしっかり休んでいます。
どのような経営者を目指していますか?
オーダースーツ業界では勝友美さんのような影響力のある女性経営者を尊敬しています。ただ、私は文化を取り入れた服という独自の路線で勝負したいです。女性の起業家はまだ少なく、同世代はほぼいません。だからこそ、若い女性で起業したい方や、自分のやりたいことでキャリアを築きたい方が『私も頑張りたい』と思えるような存在になりたいです。

最後に、20代、30代の女性へメッセージをお願いします。
私自身、青森という地方から出てきて、教員免許という安定した道もありながら、あえてファッションという不確実な世界に飛び込みました。最初は不安もたくさんありましたが、自分が本当に好きなこと、情熱を注げることを仕事にできている今は、本当に充実しています。
女性の起業家はまだまだ少ないですし、同世代となるとほぼいません。だからこそチャンスだと思うんです。女性向けの支援制度も充実していますし、リスクを最小限に抑えながら挑戦することも可能です。
大切なのは、自分が何に時間とお金を使ってきたか、何に心が動くかを見つめ直すこと。そして、それを仕事にする勇気を持つことです。完璧な準備なんてできません。私も勢いで会社を作ってしまった部分もあります。でも、やりながら学び、仲間を集め、少しずつ形にしていけばいいんです。
『やりたい』という気持ちがあるなら、まずは小さな一歩から始めてみてください。副業からでも、週末の活動からでもいい。自分の可能性を信じて、挑戦してみてほしいです。皆さんが『私も頑張りたい』と思えるような存在になれるよう、私自身もこれからも挑戦を続けていきます。

