アパレルブランド「amule」プロデューサー/モデル/インフルエンサー 桜もこさん
PROFILE
アイドルやセクシー女優としての活動を経て、現在はアパレルブランド「amule」プロデューサーとして企画・運営・発信を行う。モデル・インフルエンサーとして活動するほか、撮影会運営や温泉雑誌専属モデルとしても活躍中。
多様な経験を糧に、自分らしい表現と働き方を追求している。
2回の悔しい経験を経て、自分の力で立ち上げたアパレルブランド~偏見と戦いながら、応援してくれる人たちに支えられて~
現在のお仕事について教えてください。
現在はレディースアパレルブランド『amule』の運営を軸に、撮影会の運用、温泉雑誌の専属モデル、インフルエンサー活動など、幅広く取り組んでいます。自分の想いを大切にしたいので、ひとつに決めず、本当にやりたいことを追求する働き方を選んでいます。
これまでの経歴を教えてください。
2012年からつんく♂さんプロデュースの『バクステ外神田一丁目』というアイドルグループで活動していました。その後、2017年頃からセクシー女優になり、『恵比寿マスカッツ』や韓国のアイドルグループ『HONEY POPCORN』で活動しながら、セクシー女優としても活動していました。

アパレルに興味を持ったきっかけは?
活動中、憧れの先輩のお洋服が普段からすごくおしゃれだったんです。元々、私は小さい頃からおしゃれが大好きで、母と毎週土日は絶対にショッピングに行くというスタイルだったんです。アパレルにはずっと興味を持っていて、段々やっていくうちに何か作りたいという気持ちが芽生えて、自分のブランドを持ちたいという気持ちが強くなりました。
2023年12月に「mococo」を立ち上げられたそうですね。
はい。その時は会社の人がいて、出資者もいて、パターンナーの方もいるという形で始まりました。でも、価値観の違いなどがあり、方向性を見直すことになりました。
具体的にどのような苦労があったのですか?
当時は環境に馴染めず、短期間で体調や心に影響が出るほど追い込まれました。白髪が増えたり、初めて湿疹ができたりしました。すごく辛くて、その時期は『悔しい、悔しい』とずっと周りに言っていました。周囲との関係がうまくいかず、恵比寿マスカッツで一緒だったメンバーで、アパレルをやっている方が間に入ってくれました。客観的に見ても厳しい状況だったので、そこから離れることを決めました。
そこから立ち直れたきっかけは?
アパレルをやりたいということを周りにずっと伝えていたので、アパレルの知り合いの方たちが『諦めちゃダメ、まだ一緒に頑張ろう』『手伝えることがあったら言って』という言葉をかけてくれました。周りの言葉を聞いて、背中を押されて、私も頑張らないと、一度しかない人生なのでやりたいことをちゃんとやろうと思いました。
2024年に「amule」を立ち上げられたのですね。
はい。以前は出資者や会社という枠組みがありましたが、amuleは自分のお金で、自分の責任で立ち上げました。できることは自分ですべて行っていて、失敗一つ一つも積み重ねてきました。これまでの芸能の仕事では、指示を受けて、言われたことをやる働き方が多かったんです。でも、今は自分で何かをするという覚悟をより持って、amuleに挑みました。
2024年にセクシー女優も引退されたそうですね。
事務所が倒産したんです。そのタイミングで引退して、一つの区切りとして、ここから自分のアパレルブランドを頑張っていこうと思いました。引退を決意したのは、いつかずっとやっていける職業じゃないので、ちゃんと女として売らなくても、ちゃんと自分の力で稼げるようなお仕事をやりたいという想いが、活動していく中で徐々に生まれてきたからです。
過去のキャリアに対する偏見はありましたか?
アパレルの仕事を始めてからも、私の過去のキャリアの関係で、工場さんからなかったことにされたりすることもありました。偏見はすごく多いなと、改めて自分で経営をして思う部分もすごく多かったです。でも逆に、応援してくれる方々も多くて。だからこそ、応援してくれる方たち、アパレル関係の人たちの大切さも学びました。

mococoの時との違いは何ですか?
mococoの時は、私がイメージしていた方向性と少し違う部分がありました。価格帯や、ブランドの打ち出し方について、私とは異なる考え方があったので、自分のやりたいことを実現するために別の道を選ぶことにしました。amuleでは、ブランドはブランド、私は私という感じでブランドを育てたくて。だから、私がたまにモデルをするんですけど、周りのインフルエンサーの友達にモデルになってもらったりして、amule=桜もこにならないように頑張ってきました。
男性ファンから女性ファンへの転換はどのように?
SNSのインスタグラムに、今まで露出があるものも載せていたんですが、それを一切なくして、ファッション系、ヘア、美容系にチェンジしました。プロフィールにも『美容・可愛いもの発信』と書いたり。amuleのアカウントに関しては、自分の印象を強めないように、モデルさんを私じゃない方にしてもらったり、世界観を大人ガーリー系のブランドなので、そっち系にしたり。女の子が好きそうなものを研究して、勉強して、工夫しました。お仕事をご一緒させていただいている方々にも、女性ファンが増えるように頑張っていると伝えて、露出が多かったりエロい系のものはやりませんと言って、お仕事をさせてもらっています。伝えることは大切だなと思いました。
amuleで特に嬉しかった出来事は?
関西コレクションプロデュースの『GAKUSEI RUNWAY』に参加できたことです。最初にお話をいただいた時は、とても嬉しかった反面、本当に自分にできるのかとたくさん悩みました。それでも、『ここからamuleの物語の一部として、このイベントに関わりたい』と思い、挑戦することを決めました。何かを『選ぶこと』の重さや責任についても、改めて考えさせられた経験です。フィッティングシートを作るなど、初めてのことばかりで試行錯誤の日々でしたが、本番の舞台を目にした瞬間、言葉にできないほどの感動がありました。この経験は、これからのamuleを続けていく上で、大きな自信につながっています。
自分らしさを大切にするようになったきっかけは?
私は小さい頃から、人と同じでいるよりも、少し違うことに惹かれる子どもでした。だから『アイドル』や『セクシー女優』といった道も、人と違う存在でいられる場所だと思って選びました。けれど実際にその世界に入ってみると、人と違うことをしたくて選んだはずなのに、その中ではみんな『一緒』になってしまうような感覚がありました。そこから、『このグループ、この業界の中で、私にしかできないことをしよう』『もっと私らしくいよう』と考えるようになりました。その気づきをきっかけに、周りへの無理なライバル意識も自然となくなり、自分らしさを大切にする考え方へと変わっていきました。
今後の目標について教えてください。
会社を立ち上げて、店舗を持ちたいです。一緒にポップアップをしている会社さんがあって、その方たちと仲良くやらせていただいているんですが、一緒に目標を持とうと言ってくれて。その方たちはすごく良い意味で前向きで、『一緒に頑張ろう』『やればできる』というポジティブ思考なんです。その方たちの前向きな姿勢に影響を受けて、私も店舗を持ちたいと思うようになりました。その会社さんは店舗を持つことが決まっていたので、『うちの店舗に置きなよ』と声をかけてくださって。そういったご縁を大切にすることも重要だなと思いました。
あとは、スタジオ経営もしたくて、今物件を探しています。amuleっぽい感じの世界観にしたくて、アパレルでも撮れるような、色んなアパレルさんでも使ってもらいたい。インフルエンサーさんやコスプレをやっている友達も多いので、そういう子に楽しんでもらえたらと思っています。今年は絶対それを始めたいという目標です。

20、30代の女性へメッセージをお願いします。
これまでの経験の中で、思い通りにいかないこともたくさんあったし、人間関係に悩み、心身共に追い込まれた時期もありました。でも、その経験を通して、環境や人との関わり方について考えるようになりました。自分の想いに正直でいたいので、自分の気持ちに嘘をつきたくありません。だからこそ、出資や会社に頼るのではなく、自分のお金で、自分のできることはすべて自分でやると決めました。一人で始めたからこそ、仕事を通じて出会えた人たちの存在や、応援してくれる環境のありがたさを強く感じています。
過去の悔しさも、支えてくれた人への感謝も、すべてが今の私の原動力です。最初は30分で終わるようなことに4時間かかってしまうこともありました。でも、その一つ一つが今の経験につながっています。これひとりではできなかったなと思うことばかりで、周りの人の話を聞いたり、見たりしていく中で、学ぶことも多かったです。人ってすごいなと思います。だからこそ、読んでくださっている皆さんにも、今うまくいかないことがあっても、自分の気持ちだけは諦めずにいてほしいなと思います。


